読書

ビジュアルデザイン論――グーテンベルクからSNSまで

タイトルのとおり、幅広い内容をさらっと紹介している。

第3章 大量生産にて、文書の印刷が時の権力者に忌避されるとの下りは、現代の映像氾濫と通じているようだ。

少し前まで映像は放送メディアが独占するようなものであったが、今やだれでも撮影者であり放送社になれる時代、しかも、メディア映像に慣らされた人々は、あらゆる映像に自分の信じる真実をみて、勝手に納得しているように感じられる。文章にも同じような危険性はあったわけだが、文章を自分の信じる形で読み解くのはなかなか困難で、読み解いているうちに自身の考えを修正する時間があるように思えるのだ。

その点、即効性に長ける映像は、自分の好きなところだけ容易に切り出して、見ることができるため、その危険性が高いように思われる。

デザインの本ではないが、メディア論の本としては優れている。

この記事の執筆者は Ciel

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