米澤穂信氏の最新刊。
「さようなら妖精」の主人公が再登板しているが、前著とは何の関連もない。
混乱する異国において、主人公の葛藤を軸に、ネパール王族殺害事件という史実を絡めた推理小説。
いちいち納得してしまう物語の進め方、テンポがすばらしく、3時間程度で読了してしまった。
読後感がさわやかとは言いがたいが、心に残る物語だったと思う。
小説の題材になっている、ネパール王族殺害事件は、発生当時興味深くニュースを見た記憶がある。ニュースが聞こえなくなってすっかり忘却の彼方になっていた。ネットで調べると、その後も国の混乱が収まっていないのは悲しいことだ。
ネパールに対しては、日本国として何かやってるのかもしれないし、周辺国の思惑もあって難しいのかもしれないが、国の安定化に協力する活動こそ、国際貢献というものではないだろうか?
自分の不勉強だけかもしれないが、日本の国際貢献は、戦争の後方支援や、橋、道、箱物を造るだけにスポットが当たっているのは寂しい話だと思う。
発売日: 2015年07月29日
著者/編集: 米澤穂信
出版社: 東京創元社
サイズ: 単行本
ページ数: 413p
ISBNコード: 9784488027513
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