鍵の掛かった男
有栖川有栖
久々の有栖川作品。
一人の謎めいた男の死から始まる長い物語。
その謎を追いかける主人公と登場人物たちの会話を通して話が進んでいく。
終盤の追い込みから、エピローグに向けての展開はスピーディで一気に読み進めた。エピローグは少しほろりとしてしまった。
500枚弱の作品だが、3日ほどで読了した。とてもおもしろかった。
作品の舞台は、大阪中之島。
作品には中之島の小ネタが多く出てくる。舞台について知識がある読者であれば、その空気を感じながら小説の中に溶け込むように読めるだろう。
舞台についてよく知らない読者は、場所を想像しながら読むと、読後に中之島に行ってみようかなと思うだろう。
自分は前者である。
一週間足らずの間に、主人公は様々な場所に出向く、暇つぶしで訪れる国立国際美術館では、「フィオナ・タン まなざしの詩学」を展示している描写など、作品が書かれた時を閉じ込めたような描写が作品を生き生きさせていると感じた。
中之島恒例のラバーダックの描写が無いのは少し残念だったかな。なんぞ権利関係で面倒なことがあるのかもしれない。
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