
終わりのむこうへ : 廃墟の美術史
Beyond the End: Ruins in Art History
2018年12月8日(土)〜2019年1月31日(木)
December 8, 2018−January 31, 2019
中世の頃から西洋で始まった、廃墟画を起点に、現代日本の廃墟画までを辿る企画展。
国内の美術館からの貸し出しで構成されていた。
2階と地下一階が会場で、2階からスタートする。
廃墟画は中世で有名なのは、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ。西洋国立美術館(西国)の大判版画が6枚ほどやってきていた。これらの作品は細密で見応えがある。
日本でも、近代になり少し廃墟画が描かれるようになり、不染鉄の「廃船」1969年頃 京都国立近代美術館蔵は、近代日本の負の側面を描いた良作だと思った。
地下一階では、退廃的な建築繋がりで、シュルレアリスムの作品が展示してあり、デルボー、エルンストなども展示されていた。
最後の現代日本画家として、浅田浩、野又護、大岩オスカール、元田久治の作品が展示されていた。
元田氏の朽ちた渋谷は、そうならなかった未来を描いてあり、見たことのある風景との差異を頭で想像するのが面白かった。麻田氏、大岩氏の作品は、個展では見たことがあったが、他社の作品と同じ空間にあるのを見るのは新鮮だった。野又氏の作品は、空虚な画面で人の姿は描かれていないが、人の面影があるようで、ピラネージの作品に最も近い感じがした。
企画展として、とても良かったと思う。
丁度、西国でも開催中の、「ローマの景観—そのイメージとメディアの変遷」と連動したような内容だったので、連携して展を盛り上げるのも一つの手ではないかと思った。
Leica SL +SUMMICRON-R 2/35-9ELE
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